高血圧の患者さんには、生活習慣病の一つである“肥満”によって引き起こされている方が多くいると思います。
肥満による高血圧は、エネルギーをコントロールすることで改善されると言われています。
いち早く肥満による高血圧だと気付かれた方は、食事制限をしてみましょう。
でも、エネルギーコントロールなんて自分で出来ないし…と思われた方のために、簡単にエネルギーを下げる調理テクニックがあるのでご紹介します。
人それぞれだと思いますが、肥満の方は全体的に食事量が多い傾向にあります。
本気で高血圧を改善したいのであれば、医師・管理栄養士に相談して摂取カロリーを算出し献立もたててもらうのが一番ですが、まず自分で出来ることからやってみてください。
計量スプーンを使う
高血圧を改善するにはまず塩分制限を行います。1日6g未満です。
調味料以外の食品自体にもNa(ナトリウム)として塩分は含まれていますので、出来るだけ調味料からの塩分摂取は少なくしたいところです。
みそ汁など、「大体こんなもんかしら?」と味を決めていると思いますが、一度、栄養計算されているレシピ
通りの分量で作ってみてください。一度作って味の濃さを覚えたら毎回量らなくても大丈夫です。
量りを使う
普段、主食をどのくらいの量を食べているか知っていますか?
意外とわからないと思います。
ご飯は日本人の主食!昔はここからたくさんのエネルギーを摂取してきました。
・ご飯お茶碗に軽く1膳140g:235kcal
・どんぶり茶碗1膳240g:403kcal
・コンビニのおにぎり1個100g:168kcal
外食した時のご飯は多めに盛り付けるお店が多いので、最初からご飯の量を少なめで注文すると良いでしょう。
普通量を完食した場合は夕飯時のご飯量を少なくする等、摂取しすぎに注意が必要です。
一度量りを使って自分がどのくらいのご飯を食べているか調べてみるのもいいでしょう。
エネルギーの低い食品の選択
同じ栄養素を持つ食品でもカロリーの少ないものと多いものがあります。
スーパーでの買い物時や外食でのメニュー等を見ながら低カロリー食品を選択できるようにしましょう。
例えば…
・主食:パン→ごはんにする
パンはバターやジャムをつけて食べることが多いかと思いますのでそれだけでカロリーを多く摂取してしまいます。
・鶏肉:皮つきのもも肉→皮なしの胸肉にする
赤身やささみなどもヘルシーです。
・魚類:さば・さんま・まぐろ→貝類・エビ・白身魚にする
肉よりも魚を選択するのも一つの案です。
・いも類:さつまいも・ジャガイモ→こんにゃく・里芋・長いもなどにする
デンプンの多いいも類はカロリーも高めです。
昔、私がアメリカ研修に行った際、アメリカ人は「ポテトはジャガイモだから野菜でしょ?」と思っている方が多かったです。
そのポテトを野菜だからと言ってたくさん食べている…そりゃあ太るはずですよね。
いも類は野菜類には入りません。
・砂糖類:砂糖・はちみつ→パルスイート等の低カロリー甘味料を使用する
今はスーパーで手軽に買うことができます。
・豆類:油揚げ・がんもどき→加工していない豆腐や納豆にする
揚げることでだいぶカロリーがアップされます。
納豆は以前もコラムに書いたように血液をサラサラにしてくれる食品です。
高血圧で降圧剤を飲んでいない方は積極的に摂ると良いです。
・種実類:高カロリーなので食べない
意外とカロリーの高い食品です。
・野菜類:全体的にカロリーが低いのでたくさん食べると良い
一日に350gが目標です。
果実類:果物はビタミンの栄養源ですがカロリーが高いものもありますので食べすぎには注意が必要です。
それから高血圧に関係するカリウムが豊富なバナナやリンゴは積極的に食べて下さい。
・海藻類:寒天やところてん、もずく、わかめなど
低エネルギーで食物繊維が豊富な食品です。
乾燥のものが売られていて毎日手軽におなかを満たすことができます。
・乳製品類:チーズ→低脂肪牛乳・無糖ヨーグルトにする
カルシウムが補える乳製品ですがチーズは脂も多くカロリーが高めです。
・菓子類:基本的には余分なカロリー摂取になります。
食べない方がいいですが、我慢しているとストレスになる可能性があります。
比較的にカロリーの少ないゼリーや和菓子、シャーベットなどを選択し、手作りするのも良いと思います。
高カロリーなスナック菓子やチョコレート、クッキーなどは控えると良いでしょう。
以上、低エネルギー食品の一例を挙げてみましたがいかがでしょうか?
何も考えずに好きなものを食べていると意外とカロリーの高い食品ばかり選択していた!という方もいるのではないでしょうか?
高血圧と診断されて食生活を変えよう!と思われたあなた、普段の食事の少しの手間と良い選択で高血圧を改善できるかもしれませんので是非お試しください。
(ライター:栄養士ハム子)