高血圧といえば、食塩制限とまず頭に浮かぶと思いますが決してそれだけではなく、カリウム摂取、摂取エネルギーの制限、アルコール摂取量の制限など様々な食事療法があります。
カリウムが血圧を下げる効果があることは多くの研究で支持されていますが、なぜカリウムが高血圧改善に良いのかをご説明したいと思います。
ナトリウムの体外への排出を促すカリウム
カリウムの主な働きはさまざまな説がありますが、ナトリウム(食塩)が体内に過剰に存在する(高血圧状態になる)とカリウムが働き体外への排出を促進することです。
厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2015年版)では、高血圧予防を目的としたカリウムの望ましい摂取量を18歳以上男女共に3500mg/日を目標として摂取するように推奨されていますが、私たち現代人は加工食品の利用等により塩分を取り過ぎているので意識的にカリウムを摂取する必要があるのです。
高血圧と診断されている方はなおさらですよね。
カリウムを多く含む食材
さて、難しい話はここまでにして、ここからはカリウムを多く含む食品とおススメの食べ方についてご紹介していきます!
カリウムを多く含む食品 野菜や果物、豆類に多く含まれます。
カリウムを多く含む食品 | ||||
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里芋 | かぼちゃ | 納豆 | 枝豆 | わかめ |
アボカド | ひじき | のり | ほうれん草 | |
バナナ | リンゴ | 柿 | トマトジュース |
こちらに挙げたのはカリウムを多く含む食品で手軽に食べやすいものです。
パセリや切干大根(乾燥)などにも多く含まれますが量をたくさん食べるのは大変ですよね?
どうせ食べるのならこれらの食品を効率良く摂取したい!効率的に摂るにはどうしたらいいでしょうか?
それは・・生野菜を食べること!
カリウムは水に溶けやすいので、野菜などを煮たり茹でたりすると大半が水の中に溶けだしてしまいます。
ですので、果物はそのまま食べたり生野菜のサラダで食べたりしてください。加熱調理をしなくても水洗いしすぎたり、長時間水にさらすのもカリウムが溶け出す原因となってしまうので注意が必要です。
カリウムは水には溶けやすいですが加熱によって変化する栄養素ではありません。
ですから、「野菜はたくさん摂取したいけど生野菜だと量を食べるのが大変!!」と思った方は、煮汁も一緒に摂取できるスープにして食べるのがおススメです!
おススメレシピ☆具だくさん里芋豆乳スープ☆
材料(1人分)
里芋 50g
鶏胸肉(皮なし) 30g
乾しいたけ 2g
しめじ 20g
エリンギ 10g
玉ねぎ 20g
人参 15g
水 80ml
★コンソメ(塩分控えめ) 小さじ1/2強(1.5g)
★水 大さじ1と1/3(20g)
★調整豆乳 80ml
★塩 0.3g
黒こしょう 少々
パセリ(乾) 少々
作り方
- ① 里芋はよく水で洗い皮がついたままラップをして耐熱容器に入れ、電子レンジで4分加熱する。
- ② ①を熱いうちに皮をむく。
- ③ 乾しいたけを水で戻す。しめじとエリンギは石づきをとって、一口大に切る。
- ④ 玉ねぎと人参は乱切りにする。
- ⑤ 鍋に水、鶏胸肉、人参、玉ねぎを入れて加熱する。
- ⑥ 野菜に火が通ったら里芋ときのこを入れる。
- ⑦ 水分がなくなったら★の調味料を加え、煮込む。
- ⑧最後に黒こしょうとパセリをふって出来上がり。
このスープ一人前でカリウムが783mg摂取できます!もちろんスープだけではなく一汁三菜のバランスのとれた食事をすること、アルコールの制限、適度な運動を心がけることも高血圧改善には必要となってきます。
どうでしょうか?減塩しているのになかなか血圧が下がらない・・と思っているあなた、減塩だけで頑張る高血圧改善よりも効率的にカリウムを摂取して血圧を下げる方法もありますので是非試してみてくださいね。
ただし、野菜・果物の積極的摂取は腎障害を伴う高血圧の場合と糖尿病を伴う高血圧の場合は、高カリウム血症になる可能性がありますので医師・管理栄養士の指示に従って摂取してください。
(ライター:栄養士ハム子)