「最低血圧」いわゆる拡張期血圧だけが高いのは高血圧症の始まり。
心筋梗塞、狭心症のリスクが増大する最低血圧の上昇
「拡張期血圧」というのはポンプの役割を果たす心臓が血液を送り出した後に拡張して血液を溜めに入った時の血圧です。
いわゆる最低血圧と呼ばれるものですが、ポンプが血液を送り出していませんので最も血管に圧力が掛かっていない状態です。
高血圧と言えば一般的には心臓が血液を送り出している時である最高血圧が高い状態の事を指すと思われがちですが、最低血圧だけが高いという症状も高血圧症に分類されます。
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
---|---|---|---|
至適血圧 | <120 | かつ | <80 |
正常血圧 | <130 | かつ | <85 |
正常高値血圧 | 130 - 139 | または | 85 - 89 |
Ⅰ度(軽症)高血圧 | 140 - 159 | または | 90 - 99 |
Ⅱ度(中等症)高血圧 | 160 - 179 | または | 100 - 109 |
Ⅲ度(重症)高血圧 | ≧180 | または | ≧110 |
収縮期高血圧 | ≧140 | かつ | <90 |
上の表のように最低血圧が85を超えてしまうと「正常高値血圧」に分類されるわけですね。
一般的にはこの「拡張期血圧」、いわゆる最低血圧が高い状態は最高血圧もじきに上がってくる予兆と言われています。
因みに私も30代後半から最低血圧が80台に突入し、やや高めですよと言われて続けながら何の策も講じずに放置していたところ、40台前半で見事に90を突破し、あれよあれよと言う間に110近くまで上昇してしまいました。
その頃には最高血圧も150を超えてしまい、どこからどうみても普通の高血圧症になってしまったのです。
最低血圧が高いのは危険
最低血圧が高いのは大動脈ではなく、毛細血管の柔軟性が失われて抵抗が大きくなっている状態で、最低血圧が80以下の人に比べて105ある人は心筋梗塞や狭心症などの心疾患のリスクが27%も高まると言われています。
この状態を放置するのは、短期的にはこのような危険に晒されながら長期的には最高血圧も上がってしまい、更に心筋梗塞の危険度が増し、脳梗塞の危険性すら招き寄せる事につながります。
「最低血圧だから大丈夫」と私のようにタカをくくっていると痛い目に遭うのです。
最低血圧だけが高くなる原因
最低血圧が高くなる原因は、主に肥満や運動不足、過度の飲酒などであると言われていますが、医学的にははっきり分かっていない部分が多く、最低血圧だけを下げる療法はありません。
血圧が高くなる原因は最高血圧も最低血圧も同じで、塩分の取りすぎや肥満、コレステロールの増加に伴い血液がドロドロになっていることが原因であると言われています。
現状の生活習慣で血圧が年齢別の適性値以上に上がり続けているなら、何かしらの生活習慣の改善をしない限り血圧は見る見る上がり続け、深刻な状態になること危険性が高くなります。
この状態を放置すると血圧はどんどん上がり続け、数年で重度の高血圧症になってしまう可能性が高いのですが、幸いにして最低血圧だけが高い状態と言うのは高血圧の初期症状である可能性が高いので、生活習慣を改めれば改善の余地は大いにあります。
一番いけないのが、まだ大丈夫とタカを括って生活習慣を改めず、健康診断も受けない事です。
現実は現実として受け入れ、重度の高血圧症になる前にすぐに対処すれば症状はすぐに改善される事が多いようです。
すぐに対処をすれば改善する可能性は高い
まだ最低血圧が上がり始めたばかりで、最高血圧がそれ程上がっていないのであれば劇的に血圧を下げる方法はあります。
もちろん、原因は食生活にありますので、減塩食に切り替えるなどの工夫は必要ですが、塩分の排出を促進するカリウムや血管の酸化による硬化を防ぎ、弾力性と拡張性を維持する事で血圧の抑制効果を発揮するケルセチンなどを多く含む食材を積極的に摂る事で思った以上に血圧が下がる例もあります。